鉛フリーはんだのデメリットとは?高信頼性製品で今なお「共晶(有鉛)はんだ」が選ばれる理由
「環境のために鉛フリーはんだに切り替えたけれど、どうも基板の耐久性が落ちた気がする……」
「古い装置の基板修理をしたいけれど、もともと有鉛はんだで組まれている基板に鉛フリーを使って大丈夫だろうか?」
現在、世界の電子機器はRoHS指令などの環境規制によって「鉛フリーはんだ」が主流となっています。しかし、すべての基板において鉛フリーが万能かというと、実はそうではありません。
特に、長期間の安定稼働が求められる産業用機器、過酷な環境で使われる車載基板、あるいはレガシー設備のメンテナンス現場では、あえて従来の「共晶はんだ(有鉛はんだ)」が強く指定されるケースが今でもたくさんあります。
今回は、知っておくべき鉛フリーはんだの技術的なデメリットを整理し、なぜ今も「有鉛はんだ」がプロの現場で選ばれ続けているのか、その本音の理由を紐解いていきます。
1. きちんと知っておきたい「鉛フリーはんだ」の3大デメリット
鉛を含まないはんだ(主にスズ・銀・銅の合金など)は、環境負荷を減らせる一方で、物理的な特性としていくつかの尖った弱点を持っています。現場のエンジニアを悩ませる主なデメリットは以下の3つです。
デメリット①:融点が高く、部品や基板への熱ダメージが大きい
従来の有鉛(共晶)はんだの融点が「約183°C」であるのに対し、一般的な鉛フリーはんだは「約217°C〜220°C」と、30°C以上も高い熱を加えないと溶けません。リワークや基板修理の際、この高温がICチップや周囲の熱に弱い部品、さらには基板のパターン剥離を引き起こすリスクを高めてしまいます。
デメリット②:硬くて「脆い」ため、振動や熱伸縮でクラックが入りやすい
鉛フリーはんだは、有鉛はんだに比べて材質が「硬い」のが特徴です。一見強そうに見えますが、これは同時に「柔軟性(しなやかさ)がない」ことを意味します。装置の稼働による微振動や、ヒートサイクル(冷熱の繰り返し)による基板のわずかな伸縮に耐えきれず、はんだ接合部にひび(クラック)が入りやすい性質があります。
デメリット③:はんだの「濡れ性」が悪く、修正や目視検査が難しい
はんだが電極に滑らかに広がる性質(濡れ性)が、鉛フリーは悪いため、はんだ付けの表面がザラザラしたり、ツノが立ちやすかったりします。そのため、熟練工であっても手直しが難しく、目視検査の際にも「本当に正しくはんだが載っているか」の判別がつきにくいという現場のデメリットがあります。
2. だからプロは指定する!過酷な現場で「有鉛はんだ」が重宝される理由
こうした鉛フリーのデメリットの裏返しこそが、共晶(有鉛)はんだの最大のメリットです。特にRoHS指令の適用除外(医療機器の一部、航空宇宙、軍事、社会インフラ等)とされている重要分野では、製品の「絶対的な信頼性」を守るために、確信を持って有鉛はんだが選ばれています。
低温作業による部品の安全確保: 183°Cでスムーズに溶けるため、リワーク作業時のICや基板への熱ストレスが最小限に抑えられ、基板修理の成功率が跳ね上がります。
優れた柔軟性と耐振動性: 鉛が混ざることで適度な「柔らかさ」が生まれ、振動や温度変化をはんだ自体がクッションのように吸収。クラックによる断線不良を長期間にわたって防ぎます。
修理時のはんだ混ざりトラブル防止: もともと有鉛で作られているレガシー基板の修理に、無理やり鉛フリーはんだを混ぜると、合金の融点バランスが崩れて異常に脆い接合部になってしまいます。古い基板の修理には、やはり有鉛はんだを使うのが鉄則です。
3. 鉛フリー・有鉛(共晶)はんだ「両方」に完璧に対応できる強み
「最近の実装業者は鉛フリー化が進みすぎて、有鉛はんだでのスポット修理やリワークを嫌がったり、断られたりする」という調達担当者様の声をよく耳にします。
エイエス電気では、時代の流れである鉛フリーはんだの高度なリワーク(0.4mmピッチBGA等)に対応する最新装置を揃えているのはもちろんのこと、長年培ってきた「有鉛(共晶)はんだによる高信頼性リペア」の技術も大切に維持しています。
どちらのはんだ種であっても、それぞれの融点や特性に合わせた「個別の温度プロファイル」を工場長の荻原を筆頭に厳密に作成・管理しているため、基板に過度な負荷をかけない、極めて高品質な基板修理が可能です。
鉛フリーも有鉛(共晶)も。仕様に合わせた最適な基板修理を1枚からご相談ください。
【技術資料】鉛フリー・有鉛混在基板のリワークにおける熱管理の注意点
融点の異なるはんだが混在する基板修理や、旧型装置の延命において、現場が最も気をつけるべき「熱ダメージ対策」を専門的にまとめたPDF資料です。社内での改修稟議や品質チェックにぜひご活用ください。
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EIESU LABO(エイエス電気株式会社)では、製品の特性や適用規制(RoHS等)をしっかりと確認した上で、最適なはんだ種・工法をご提案いたします。医療機器、防衛関連、古い工場設備の保守基板など、「信頼性を最優先したい」「元の有鉛仕様のまま完璧に直したい」というご要望に、38年の実績と全数X線検査体制でお応えします。




